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はとバスの事故の過失割合、徹底解説します。

1. はとバスの事故の過失割合、徹底解説します。

ロボ吉
出島Zさん、はとバス事故の過失割合ってどうなるバイ?
 
出島Z
色んなニュースを見たんだけど、多分被害者側(ハイヤー運転手)にも過失割合が発生するね。
ロボ吉
なんでそう思うバイ?
 
出島Z
一つのニュースに事故状況が詳しく書いてあったんだ。
 
出島Z
それを読み解く限り、被害者側 (ハイヤー運転手) は路駐禁止の場所に車を止めていたことになる。
 
出島Z
さらに、交差点で路駐をしていたことになるから、本来は止めてはいけない場所に路駐をしていたことになるよ。
ロボ吉
路駐禁止場所に止めていたらダメってわかるけど、交差点で路駐したらダメなんバイ?
 
出島Z
すごい危ない行為だよ。道路交通法44条にも、「交差点の側端又は道路のまがり角から5メートル以内の部分」は駐停車禁止と指定されているしね。
 
出島Z
世間は、インフルエンザで出勤したのが悪い、はとバスの労働環境が悪いなどで騒いでいるけど、僕らみたいな損保の人や弁護士とかは、今回の事故をちゃんと客観的な根拠でみていくよ。
ロボ吉
このことを世間が知ったら驚くバイね。
 
出島Z
んー、でも事実なんだから仕方ないよね。
 
出島Z
今は僕しかこの意見を提唱していないけど、いずれ事故状況が明らかになれば、僕と同じ意見のニュースも増えるんじゃないかな。
 
出島Z
じゃあ今日は、はとバスの追突死亡事故の過失割合について詳しく解説していくよ。

1-1. この記事の目的

この記事では「はとバス追突死亡事故 の過失割合」について詳しく解説をします。

この記事の目的は2つあります。

  1. 「はとバス追突事故の過失割合」がわかる。
  2. 「はとバス追突事故の過失割合」根拠がわかる。  

それでは早速みていきましょう。

この記事を書いた管理人について
出島Z

サイトの管理人は、長年に渡って損害保険会社に勤め、自動車保険の査定・示談交渉を行っておりました。何千件もの交通事故を事故解決へと導いてきました。その経験・実務に則して記事を記載しております。

1-2. はとバス追突事故の概要

今回の事故の概要を詳しく記載した1つのニュースを紹介します。

日刊スポーツからの抜粋です。

4日に東京都新宿区の交差点付近でツアー運行中の「はとバス」の観光バスが停車中のハイヤーに追突し、千葉県富里市宮崎昭夫さん(52)が死亡した事故では、宮崎さんは路肩にハイヤーを止め、トランクを開けて作業をしている最中に巻き込まれた。

はとバス広報課によると、事故を起こした森聡一容疑者(37)の勤務年数は5年目。事故を起こした当日の4日朝は6時40分ごろに出社し、健康確認では異常なしの申告をしていたという。また、前日の3日は公休で出勤はしておらず、市販薬を服用し、午後8時に就寝したという。

また、事故当日にも同じ市販薬を服用していた。事故後、病院に搬送され、最初の病院では平熱で異常なしと診断されたが、2つ目の警察病院で38度の熱があることがわかり、インフルエンザと診断された。

はとバスは、事故当時のドライブレコーダーの解析が終わっておらず、詳しい状況は現在も調査中だという。

事件は4日午後6時40分ごろ、東京新宿区の交差点で起きた。警視庁新宿署によると4日深夜までに、はとバスとハイヤーは同一方向を向いており、ともに南側から北側に、青梅街道方向に進行していたとみられる。ハイヤーが交差点で待機をしていたところ、後ろからはとバスが追突し、はとバスが右側にある中央分離帯に乗り上げ街路灯に追突し、停止した。

引用元:日刊スポーツ 
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201912050000822.html

これを基に過失割合を考察していきます。 

1-3.  はとバス追突事故の過失割合の考察

前回の記事では、はとバスとハイヤーの過失割合は、

バス100:ハイヤー0 or   はとバス80:ハイヤー20

の可能性が高いことを解説していきましたが、この記事を見る限り、 バス100:ハイヤー0のラインはなくなりました。

はとバス追突事故

1.はとバスの追突事故を徹底解説します!   ロボ吉 出島Zさん、はとバスでインフルエンザにかかっていた運転者が追突事故を起こした事故あったバイ?   ロボ吉 出島Zさんはあのニュースをどう思うバイ?   出島Z 運転[…]

ハイヤー運転手はトランクを開けて作業している最中に事故に巻き込まれており、ハイヤー運転手は信号待ちをしていなかったことがこの日刊スポーツには書かれているからですね。

信号待ち停車であれば、 バス100:ハイヤー0 なのですが、そうでもないようですね。

え、 加害者80 :被害者20ってあり得ないでしょ?
という声が聞こえてきそうなのですが…もちろん根拠がありますので説明します。

まず今回のケースですと、判例タイムズ157図の「駐車車両に対する追突事故」の判例が適用されます。

※「判例タイムズ」とは、交通事故での過失割合の判例が記載されている本でして、損保職員や弁護士、裁判所がこの本を使用し過失を判断していく、実務書のことです。

基本の過失割合は加害者100 :被害者0 からのスタートなのですが、今回の事故の現場には駐車禁止の標識がある現場付近の可能性が高いです。

事故現場は、新宿中央公園前のT事故交差点付近でして、公園通りをはとバスとハイヤーは南から北に向いていたとのことなのですが、実はこの交差点の少し南にいきますと、駐車禁止の標識があるところなのですね。


ですので、もし仮にここに駐車をしていた場合、ハイヤー側にも「駐車禁止場所」の過失修正が加わり、ハイヤー側に+10%加点される可能性があります。

更に、交差点にて待機をしていたという事なのですが、交差点での路駐は 「交差点の側端又は道路のまがり角から5メートル以内の部分」 と道路交通法第44条に記載があるように、禁止されている行為なんですね。

他のニュースでは、交差点の手前の停止線と書かれていたりするので、違いはあるのもの、それでも交差点の5メートル以内に含まれますね。

ですので、ハイヤー側に「駐停車方法不適切」の項目で+10~20%の過失割合が加算されることになります。

ただし、今回のケースですと運転者側は体調が悪いことを自覚していながら運転していたこともあるので、 はとバス運転者側にも「著しい過失」を+10%加点して、加害者80 :被害者20で収まることも考えられます。

1-4. 駐車と停車の違い

ちなみに、駐車と停車の違いってみなさん覚えていますか?

車やバイクの免許をもっている人であれば、必ずこの問題は出てきていますよ。

1.車が継続的に停止
 ・客待ち、荷待ちによる停止
 ・5分を超える荷物の積みおろしのための停止など

2.運転者が車から離れて、すぐに運転できない状態での停止

1.人の乗り降りのための停止

2.5分以内の荷物の積みおろしのための停止

3.運転者がすぐに運転できる状態での短時間の停止

ですので、今回のハイヤーの運転手は、 トランクを開けて作業している最中でしたので、駐車の項目2に該当することになり、「駐車」をしていたことになりますね。

引用元:運転免許学科試験模擬問題集
https://menkyo-web.com/kiso/p13.html

2. 結論、はとバス追突死亡事故の過失割合

結論としては、はとバス80:ハイヤー20の過失割合になりそうです。

いずれにせよ、バス側のドライブレコーダーが残っているとのことなので、まずは保険会社側でもバスのドライブレコーダーを入手し、その内容を確認し事故現場を特定してから過失割合を判断することになります。

今回はドライブレコーダーに実際の状況が残っているので、安心しました。

これが、もしドライブレコーダーが残っていない事故であれば、おそらくはとバス側に過失が100%取られてしますことで結論づけられる可能性もありますからね。

これだけニュースで取り上げられてしまえば、世間の空気感によって過失割合が左右されることだってたまにありますからね。

また保険の実務上の話であれば、はとバス側が対物・対人保険を使用しハイヤーの所有者と遺族の方に賠償を行います。

ハイヤーはくしゃくしゃになっていましたので、全損判断となって時価賠償の話になりますし、死亡されているので、死亡慰謝料と逸失利益を法定相続人の方々に賠償するようになります。

お亡くなりになったハイヤーの運転手にお悔やみ申し上げます。

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