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ながら運転の道路交通法はどう変わったの?報道による2秒の嘘。徹底解説します!

1. ながら運転の道路交通法はどう変わったの?報道による2秒の嘘。徹底解説します!

ロボ吉
出島Zさん、2019年12月1日から、ながら運転の罰則が強化されたって聞いたバイ!?
 
出島Z
ニュースで報道されていたね。
ロボ吉
何がどのように変わったト?
 
出島Z
変わった事は3つあるよ。
 
出島Z
①道路交通法の改正、②刑事処分の内容、③行政上の処分内容だね。
ロボ吉
「刑事上の処分」と「行政上の処分」って何バイ?
 
出島Z
「刑事上の処分」ってのは、過去の行為に対する制裁として行われる処分(例えば罰金刑、懲役刑、禁固刑 )のことね。
 
出島Z
「行政上の処分」ってのは、道路交通上の危険を防止するという行政目的を達成するために行われる処分(例えば免許の取消や反則金など)のことね。
ロボ吉
はじめて聞いたバイ。
 
出島Z
これは覚えておくようにね。この2つがそれぞれ重くなったんだよ。
ロボ吉
どう重くなったバイ?
 
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「刑事上の処分」で言えば、 携帯を使用しながらの運転が、「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金 」から「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」、  携帯を保持しながらの運転が、「5万円以下の罰金」から「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」ね。
 
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「行政上の処分」で言えば、 携帯を使用しながらの運転が、「 反則金  大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原付車6千円、基礎点数 2点減点」から「反則金 適用なし、基礎点数 6点減点」、  携帯を保持しながらの運転が、「反則金  大型車7千円、普通車6千円、二輪車6千円、原付車5千円 基礎点数 1点減点」から「反則金 大型車2万5千円、普通車1万8千円、二輪車1万5千円、原付車1万2千円、基礎点数 3点減点」ね。
ロボ吉
す、数字がいっぱいバイw
ロボ吉
なんか数字がいっぱいでよくわからんバイ。要点だけ教えてっタイ。
 
出島Z
注目してもらいたいのが、携帯を使用しながら運転していれば、行政上の処分で6点減点引かれるようになったんだ。
 
出島Z
6点の減点ってのミソで、前科なしでも一発で免許停止になる点数なんだ。
 
出島Z
あとは、携帯を手に持って運転しただけでも、6月以下の懲役に服する可能性が出たことだね。
ロボ吉
結構、これしている人は多いと思うバイ。
 
出島Z
そうだね。多いと思うよ。
 
出島Z
じゃあ残りの道路交通法の改正も含めて、今日はこの「ながら運転の道路交通法改正のポイント」について解説していくよ。

1-1. この記事の目的

この記事では「 ながら運転の道路交通法の改正 」ついて詳しく解説をします。

この記事の目的は3つあります。

  1. ながら運転の道路交通法の改正のポイントがわかる。
  2. ながら運転はどこまでがNGかを理解できる。
  3. 保険の対応上、ながら運転はどのようになるか理解できる。

それでは早速みていきましょう。

この記事を書いた管理人について

出島Z

サイトの管理人は、長年に渡って損害保険会社に勤め、自動車保険の査定・示談交渉を行っておりました。何千件もの交通事故を事故解決へと導いてきました。その経験・実務に則して記事を記載しております。

1-2.  ながら運転の何が変わったの? 

ながら運転の道路交通法が改正され、2019年12月1日から新しい道路交通法の規定が適用されました。

改正されたポイントは大きく3つです。

  • 道路交通法に新たな条文が追加される
  • 刑事上の処分が重くなる
  • 行政上の処分が重くなる

です。

早速見ていきましょう。

1-3. ながら運転、道路交通法の改正のポイント

ながら運転の道路交通法で改正された内容を解説します。

今回の改正で、ながら運転では、何がOKで何がNGかをみていきましょう。

改正された道路交通法の条文です。

警察庁のHPから抜粋しています。
3.改正道路交通法の条文(令和

(元年12月1日施行)
 (運転者の遵守事項)
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
 五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。 

引用元:警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html

条文を分かりやすい言葉で要約しますと、ポイントは5つです。

  1. 車やバイクを運転中に、ケータイやトランシーバーを手に取って通話をしては駄目です
  2. 車やバイクを運転中に、カーナビの画像を見続けるのは駄目です
  3. ただし、車やバイクが停止している時は①②をやっても大丈夫です
  4. ハンズフリーやスピーカー機能を使用した場合の通話は大丈夫です
  5. 病人の救護や公の緊急時は運転中でも通話して大丈夫です。

解説しますと、通話自体を禁止している訳ではないということです。

あくまでの通話のための使用を禁止している為、手でケータイやトランシーバーを持ちながら使うことがNGなんですね。

またカーナビを注視する文言で、「注視」の定義は特にされておらず、何秒間、カーナビ等を見てはいけないとの記載がないので、結構アバウトなんですね。


あと、警察庁の補足事項にこのようなものもあります。

これも参考にするといいですね。(当たり前の事しか書いていないですが)

留意事項
1.交通の方法に関する教則(改正後(令和元年12月1日施行))「自動車の運転の方法」一部抜粋
 走行中にスマートフォンなどの携帯電話などを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりすることにより、周囲の交通の状況などに対する注意が不十分になると大変危険です。走行中はスマートフォンなどの携帯電話などを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりしてはいけません。また、スマートフォンなどの携帯電話などについては、運転する前に電源を切ったり、ドライブモードに設定したりするなどして呼出音が鳴らないようにしましょう。

引用元:警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html

1-4. 刑事上の処分と行政上の処分の変更点

改正後の刑事上の処分と行政上の処分の変更点を紹介します。

  • 2019年12月以前 ⇒ 2019年12月1日以降

で記載しています。

携帯を使用しながらの運転が

  • 「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金 」⇒「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」

 携帯を保持しながらの運転が

  • 「5万円以下の罰金」⇒「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」

携帯を使用しながらの運転が

  • 「 反則金  大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原付車6千円、基礎点数 2点減点」⇒「反則金 適用なし、基礎点数 6点減点」

   携帯を保持しながらの運転が

  • 「反則金  大型車7千円、普通車6千円、二輪車6千円、原付車5千円 基礎点数 1点減点」⇒「反則金 大型車2万5千円、普通車1万8千円、二輪車1万5千円、原付車1万2千円、基礎点数 3点減点」  

  

このように変わったのですね。

ポイントとしては、2つありまして、

  1. ケータイを運転中に保持していただけでも、6月以下の懲役に服する可能性が出てきた
  2. ケータイを使用しながらの運転を行った場合、免許停止になる


ということですね。

これは2019年12月以前の刑事処分や行政処分でありませんでした。

ケータイを通話で使っていなくても、手に持ったままバンドルを握ったまま運転していたことがわかれば、6か月以下の懲役になるって、結構重いですよね。

以前の処分・処罰の内容に比べてだいぶ重い内容に変わりましたね。

2. 報道の誤り、「2秒」のカーナビ注視

テレビのニュースでは、カーナビを2秒見続けると違反になる様な「誇張表現」をしていましたが、これに関しては、根拠がありません。

鵜呑みにしてはいけない理由は、カーナビを「2秒」を見続けるという具体的な2秒の数字が、道路交通法上の改正内容に一切の記載が無いからです。

先ほど、一緒に改正道路交通法を確認しましたよね?

一切「2秒」なんて文字は出てきていませんでしたね。

なぜテレビの報道で「2秒」という数字が出てきたかと言いますと、2つの説があります。

  • 警察庁のホームページにて「時速60キロで走行した場合、2秒間で約33.3メートル(注)進みます。」と「2秒」にまつわる 「空走距離+制動距離」の計算方法の記載がたまたまあること。
  • 平成14年4月26日に 国家公安委員会告示第12号 が発行され、その内容に注視=おおよそ2秒を超えて画面を見続けることをいう)と定義されているから。

です。

警察のホームページに書かれている 「空走距離+制動距離」の計算方法 は、たまたま「2秒」で計算している訳であって、これは4秒や5秒であっても構わない内容の記載です。

また平成14年4月26日に 国家公安委員会告示第12号 の内容ですが、これは道路交通法とは一切関係ありませんし、 国家公安委員会がカーナビ事業者に向けてカーナビを提供する上で、 国家公安委員会 が勝手に注視=だいたい「2秒」ですよと定義づけた内容にすぎないものです。

これを法で「2秒」で決められていると断言する根拠はないですし、あれば是非教えていただきたいです。

※民事上で「著しい過失」のわき見運転で、2秒以上わき見をしていたら過失修正を裁判所が施した裁判事例がありますが、かならず「2秒」以上だからという訳ではない。

ただ、注視することは確かに2秒以上はかかるであろうから、あながち間違いではないが、2秒以内は注視でないという事にはならないので、注意が必要です。

引用元:
警察庁 
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html
国家公安委員会告示第12号
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/shinsei-todokede/jouhou/guideline.pdf
参照元:
yahoo ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20191208-00153643/

3. 自動車保険上の対応

ながら運転は自動車保険上の対応ですと、事故を起こしてしまった際に、「過失割合」に影響を及ぼします。

項目としては「著しい過失」として過失修正が施され、ながら運転をした運転手に対し、+5%~10%の過失加点になります。

ちなみに「著しい過失」とはこのような内容が該当します。

  • 脇見運転等前方不注視の著しい場合
  • 著しいハンドル・ブレーキ操作不適切
  • 携帯電話等の通話装置を通話のために使用したり、画像を注視しながら運転すること(道路交通法71条5号の5違反。平成16年の法改正によって罰則規定が整備された)
  • おおむね時速15km以上30km未満の速度違反(高速道路を除く)
  • 酒気帯び運転等

引用元:民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準[全訂5版] 別冊判例タイムズ38号 別冊38号

事故形態によって、このパーセンテージが異なるのですが、目安は基本は10%加点になると思って下さい。

ただし、このような大きな法改正の度に、民事上の対応も影響されることはよくあり、()書きも 平成16年の法改正 のものになっているままですよね。

今後はながら運転が「重過失」の項目として認定され、10%~20%の過失修正が見込まれる可能性も大いにあります。

4. ながら運転のまとめ

現在はすでに改正後の内容で取り締まりを行っております。

まずは、この改正された内容に注意し、ケータイを持ったまま運転をしない、ナビは車が停止した際に確認する等の習慣を身につけていきましょう。

そもそもケータイ自体を運転席の手元に置かないなどの工夫をすることが大事だと思いますよ。

安全運転を心がけて楽しいカーライフにしましょうね。

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