1. 自動車保険の契約期間とは?徹底解説します!
1-1. この記事の目的
この記事では「自動車保険の契約期間」について詳しく解説をします。
この記事の目的は3つあります。
- 自賠責保険の契約期間がわかる。
- 任意保険の契約期間がわかる。
- それぞれの保険の期間の設定の仕方がわかる
それでは早速みていきましょう。
損害保険業界に10年居座り続けてしまった出島Zです。元々は生命保険の営業を行っており、その後某外資系自動車保険会社に入社し、交通事故の査定業務、示談交渉を行なっていました。物損担当者・人身損害担当者を経験し、年間600件以上の交通事故を解決に導いてきました。正確に数えてはいないですが、トータル5,000件以上は確実に示談を行ってきました。損保を2社渡り歩きました。FP資格、損害保険募集人(自動車保険、火災保険、傷害疾病保険)、生命保険募集人、共済募集人、高校教員免許保持者。趣味は音楽鑑賞、作成、DJ、ブログ、インテリア、グラフィックデザインです。
2. 自動車保険の期間はどれ位ある?
自動車保険の契約期間を解説していきます。
自動車保険には2つの種類があり、
- 自賠責保険
- 任意保険
があります。
それぞれの契約期間を解説していきます。
3. 自動車保険の契約期間(自賠責保険)
自賠責保険の契約期間を解説します。
自賠責保険の契約期間は、車種によって契約期間が変わってくるのですが、一般の自家用車であれば1ヶ月単位で契約が可能です。
また最長37か月を契約期間で選ぶことができます。
但し、 250cc以下のバイク、原動機付自転車は最短12ヶ月からの契約で、24ヶ月、36ヶ月、48ヶ月、60ヶ月の5パターンの契約期間を選ぶ形になります。
また、契約期間が長期の方が保険料(掛け金)が安くなるように設定されています。
おおよその車種や期間に応じた保険料の計算方法は、日本損害保険協会のHP上で計算できるものがありますので、こちらを参照してもらえたらと思います。
⇒ 保険料試算
また、さらに詳しい車種や地域に応じた保険料を知りたいという方は、こちらのPDFを参照いただけらたと思います。
3−1. 自賠責保険の契約期間の設定の仕方
自賠責保険の契約期間の設定の仕方を解説します。
これは、日本損害保険協会がHP上にQ&Aで記載している内容の抜粋です。
【保険期間の設定】
Q. 車検対象自動車について、自賠責保険の保険期間はどのように設定すればよいのですか?
A. 自賠責保険の保険期間が、車検期間を充足するように設定します。
例えば、自家用乗用車の新規検査(車検期間3年)の場合は、36か月または37か月の保険期間を設定します。
※申請予定日の変更等により車検期間が遅れる可能性がある場合等は、無保険期間が生じないよう、37か月で設定します。
引用元:日本損害保険協会
http://www.sonpo.or.jp/insurance/commentary/jibai/calc.html
要約しますと、「自賠責保険」を加入する際は、車検の期間を丸々カバーできるように契約期間を設定してください」ということなのですね。
実は車検と自賠責保険の有効期限の最終日の有効時間がそれぞれ異なります。
車検 | 有効期限日の24時まで |
---|---|
自賠責保険 | 有効期限日の12時まで |
車検の有効期限が夜中の24時に対して、自賠責保険は同日お昼の12時までしか契約期間がありません。
ですので、車検の有効期限と自賠責保険の期限日を合わせた場合、最終日では先に自賠責保険が切れてしまいますので、最後の日の12時間だけ自賠責保険が無保険状態になってしまいます。
よって、基本的には自賠責保険の期間が車検の期間をすっぽり覆うような契約をするため、自賠責だけを車検の期間よりも1ヶ月多めに契約することが、基本になります。
ちなみに車検の有効期限は車種によって異なり、
- 自家用乗用車は新車登録時は3年間、以後2年間
- 8ナンバー車は新車登録時は2年間、以後2年間
- 排気量250cc以上のバイクは新車登録時は3年間、以後2年間
になります。
4. 自動車保険の契約期間(任意保険)
任意保険の契約期間を解説します。
任意保険には大きく分けて2つの契約があり、
- 通常契約
- 長期契約
に分かれます。
大きな違いは等級の上がり方と更新のタイミングです。
詳細を見ていきます。
4-1. 任意保険の通常契約(1年契約)
「通常契約」では、1年間に保険の使用が無ければ1等級ずつ上がります。
また1年おきに契約を更新していきます。
「始期日」と「満期日」が1年おきに訪れる契約です。
もちろん、補償期間も1年間になります。
ほとんどの方がこの通常契約で加入しています。
また1年契約の場合は、
- 1年更新
- 1年おきに等級が繰り上がる(無事故で保険請求がなければ)
となり、1年おきに更新され、等級が繰り上がります。
通常契約については、以前僕が記載した記事で詳しく紹介しているものがありますので、こちらを参照いただけたらと思います。
1. 自動車保険で契約更新をせずに満期日を過ぎたらどうなるの?徹底解説します! ロボ吉 出島Zさん、自動車保険で満期日に契約更新をするのを忘れてしまったバイ。 出島Z え、なんで?更新案内のはがきは届いていなかった[…]
4-2. 任意保険の長期契約(2〜7年契約)
それに対し長期契約では、保険会社によって期間は異なるのですが、契約した年数(2~7年)置きに等級が上がり、更新日が訪れます。
イメージとしてはこんな感じです。
※矢印⇒は1年サイクルです。
毎年1等級ずつ上がり、毎年更新を行います。
※矢印⇒は3年サイクルです。
3年置きに等級が上がり、3置きに更新を行います。
「通常契約」では等級は毎年1つずつ上がっていきますが、「長期契約」の場合は契約期間ごとに飛び級で等級が繰り上がります。
また更新のタイミングですが、「通常契約」だと、毎年満期日に更新されますが、「長期契約」の場合だと契約期間の最後の満期日に更新されます。
- X年更新
- X年おきに等級が繰り上がる(無事故で保険請求がなければ)
※(Xは長期契約の年数)
4−3. 任意保険の契約期間の選び方
では、「通常契約」と「長期契約」のどちらを選べば良いかですが、基本的には「通常契約」を選びましょう。
理由についてですが、「長期契約」の場合、ある程度自動車保険に詳しい人でなければ、等級の管理や保険料の計算を十分に理解できずに、トラブルになることが多いからです。
「長期契約」は、どちらかと言えば上級者向けの契約方法になります。
長期契約のメリットは、
- 事故を起こしてしまい保険金を使用しても、等級が契約期間中に下がらず、保険料が実質的に一定であること
- 保険期間中に保険料率の改定や補償・サービスの改定があっても、保険料が一定の為影響を受けない
- 保険料の一括払いによる割引があること
- 1年ごとの継続手続きが不要である
が挙げられます。
逆にデメリットとしては、
- 通常契約の場合、1年置きに割引率が高くなり年々保険料が安くなる可能性が高いが、長期契約は契約期間の間一定の保険料を支払い続ける
- 契約期間内に数回以上の保険適用があった場合、次回の更新で保険料が跳ね上がる可能性がある
が挙げられます。
メリット・デメリットが表裏一体になっている、少し複雑な契約なんですね。
但し、下記に当てはまる人であれば、この長期契約を選ぶのもありかと思います。
- 毎年の契約更新をうっかり忘れてしまう可能性が高い人
- ある程度まとまった資金の準備ができる人
- 保険料を一定の固定支出としてやりくりしたい人
こういった人であれば、是非「長期契約」を選ぶことをおススメします。
5. 自動車保険の契約期間とは?(総括)
いかがでしたか?
自動車保険の契約期間についてですが、そもそも自動車保険は2つの種類があり
- 自賠責保険
- 任意保険
自賠責保険の場合は、
の契約期間でしたね。
任意保険の場合は、
- 通常契約
- 長期契約
に分かれ、
- 1年更新
- 1年おきに等級が繰り上がる(無事故で保険請求がなければ)
- X年更新
- X年おきに等級が繰り上がる(無事故で保険請求がなければ)
※(Xは長期契約の年数)
に契約が更新され、等級が繰り上がるのでした。
「通常契約」と「長期契約」のどちらを選べば良いかですが、基本的には「通常契約」を選びましょう。
ぜひ、あなたにとって素晴らしい契約になることを、僕からもお祈りいたします。