1. 事故時の代車を手配する際の注意点を解説します!
1-1. この記事の目的
この記事では事故時の代車を手配する際の注意点を詳しく解説をします。
この記事の目的は2つあります。
- 事故時の代車を手配する際の注意点がわかる。
- 事故代車は代車のグレードと使用期間に注意しないといけないことがわかる
それでは早速みていきましょう。
サイトの管理人は、長年に渡って損害保険会社に勤め、自動車保険の査定・示談交渉を行っておりました。何千件もの交通事故を事故解決へと導いてきました。その経験・実務に則して記事を記載しております。
2. 事故時の代車を手配する際の注意点
今回は交通事故に遭い、代車を手配する前の注意点を解説していきます。
代車を手配する前に注意しておかないといけないことが2つあります。
- 代車のグレード
- 使用期間
この2つのルールをしっかり守っておかないと、後から保険会社へ代車費用を請求する際に、自動車保険の対象外と言われてしまう可能性があります。
では一つ一つ見ていきたいと思います。
3. 事故時の代車を手配する際の注意点(代車のグレード)
代車のグレードとはどういう事かと言いますと、保険会社が代車費用を支払う際に、事故した車と同じ車を代車費用を認定するか、それ以上のランクの代車費用を認定するか、それともそれ以下のランクの代車費用を認定するかという事です。
結論から言いますと、事故代車はあなたが乗っていた車と同等クラス以下の代車しか自動車保険上では認められません。
仮にプリウスに乗っている人が事故に遭い、プリウスを修理するまでにラウンドクルーザーを代車として手配しても、保険会社はプリウスの代車分の日額しか認定しません。
理由は、交通事故の代車は必要妥当な代車しか認定されないという前提があり、損害を拡大させてはいけないことになっているからです。
要するに、あくまでも代えの車なので、豪華にする必要性がないということなのですね。
また事故車が外車の場合、国内高級車までの認定が原則になります。
例外もあり、例えば、
「ベンツを販売する会社を経営している社長が、愛用のベンツが被害事故に遭い、代車もベンツを乗らないと、会社の信頼が損なわれる」という場合は代車の使用目的が明確である為、代車としてベンツを認定できる可能性は高いです。
実際にほぼ似た判例で、東京地裁平成8年10月30日判決(交民29巻5号1582頁)においても、一日あたり3万円の代車費用が認定されている判例があります。
これは外車の必要性が認定された判例です。
ただし目的が曖昧な外車代車での提供は、ことごとく過去の判例でも否認され、国内高級車(クラウン等)の金額までを認定されています。
外車を手配できる場合は、代車が外車でないといけない場合に限り、認定される傾向があります。
4. 事故時の代車を手配する際の注意点(使用期間)
使用期間とはどういう事かと言いますと、代車を使える期間です。
結論を言いますと、代車の使用期間は「妥当な期間」までを自動車保険では認めますが、それを超える場合は認定されません。
「妥当な期間」とはどのようなことかと言いますと、
- 修理するために必要な相当期間
- 買替えに通常必要な期間
の2つを指します。
①の必要妥当な修理期間とはどのようにやって決めるかと言いますと、自動車保険のアジャスターや鑑定人と呼ばれる自動車保険の査定を専門に行う専門職から見て、損害の程度から逆算して、必要妥当な修理期間を決めていくことになります。 修理工場の都合で修理期間がかなり延長してしまった場合は、延長してしまった分は認定されないことがあります。
②の買替えに必要な期間とは、交通事故で車が大破してしまって修理できない場合や、経済的全損と言って時価以上に修理金額がかかってしまった場合に、保険会社は時価賠償を行うのですが、これらの理由により修理できないと判断されてしまった場合は、次の車を用意できるまでの妥当な期間を認定することになります。
よく自動車保険の業界で言われている期間は、2週間とされています。
事故日を起算日とするか、修理ができないとわかった日を起算日とするかは保険会社によって考え方が分かれますが、いずれかの日を起点に2週間が次の車を購入するに足りる妥当な期間とされています。
5. 事故時の代車を手配する際の注意点(代車のグレードと使用期間)
上記で説明しました代車のグレードと使用期間を整理しますと下のようになります。
- 代車は事故車と同等車種か、それ以下の車
- 事故車が外車の場合は国内高級車まで
- 期間は修理期間、もしくは買替え妥当期間
自動車保険会社が代車を認定する場合は、上のルールに沿って代車を認定します。
6. (まとめ)事故時の代車を手配する際の注意点
①代車は事故車と同等車種か、それ以下の車
②事故車が外車の場合は国内高級車まで
③期間は修理期間、もしくは買替え妥当期間
これが保険会社や、裁判になった際の基準になる代車費用の考え方ですので、是非頭の片隅にでも入れていただけたらと思います。
また、代車をあなたが手配する際におすすめなレンタカー会社があります。
多くの自動車保険会社でも活用しているバジェットレンタカーです。
ほぼ全国各地に店舗があり、かなり格安で良質なレンタカーを提供してもらえます。
僕も自動車保険に勤めていた時はよく使っていました。
おすすめですよ。