- 1 1. 自動車保険のアジャスターって何?アジャスターを徹底解説します!
- 2 2. 自動車保険会社の「アジャスター」とは?
- 3 3. 自動車保険会社の「 アジャスター」業務内容
- 4 4. 自動車保険会社の「アジャスター」業務体系
- 5 5. 自動車保険会社の「アジャスター」への交渉はどのようにすれば良いの?
- 6 6. 自動車保険会社の「アジャスター」に対抗できるのは〇〇だけ
- 7 7. 自動車保険会社の「アジャスター」になりたい
- 8 8. 自動車保険会社の「アジャスター」年収
- 9 9. 自動車保険会社の「アジャスター」に必要な素質
- 10 10. どうやったら自動車保険会社の「アジャスター」になれる?
- 11 11.自動車保険のアジャスター試験
- 12 12. 自動車保険会社の「アジャスター」になろう!
- 13 13. 自動車保険の「アジャスター」を目指す方に一言
1. 自動車保険のアジャスターって何?アジャスターを徹底解説します!
修理工場が作った修理見積もりが正しいかを精密にチェックするんだ。
1-1. 「アジャスター」を知る目的
今回の記事では「アジャスター」について詳しく解説をします。
この記事の目的は2つあります。
- 現在進行形で保険会社の「アジャスター」と交渉をしている方は、「アジャスター」を知ることによって解決の糸口を探る。
- 「アジャスター」になりたいという方は「アジャスター」の業務内容を理解してもらい、「アジャスター」の転職活動を始める。
では早速「アジャスター」についてみていきましょう。
サイトの管理人は、長年に渡って損害保険会社に勤め、自動車保険の査定・示談交渉を行っておりました。「アジャスター」とは社内で共に働き、自身も「アジャスター」試験を目指そうとしたこともありました。その経験・実務に則して記事を記載しております。
2. 自動車保険会社の「アジャスター」とは?
まず結論から言いますと、「アジャスター」とは損保協会の「アジャスター資格」に合格した人の事を言います。
「アジャスター資格」とは何かと言いますと、交通事故の損害調査業務(自動車の物損事故による損害額や事故の原因・状況などの調査)を行う事ができるようになる資格です 。
なぜこのような資格があるかと言いますと、車の査定には高度な知識と技術が必要になってくるからです。
日進月歩進化している車の技術を修理するとなれば、車の構造から自動車工学、物理学の知識を網羅していなければ対応できないのですね。
具体的には、自動車の構造・機能、自動車工学、見積もり作成技術などを試験で試されます。
3. 自動車保険会社の「 アジャスター」業務内容
修理工場と修理金額の協定作業を行います。
協定とは、お互い合意の上で金額を確定させるという意味です。
修理工場が作成した見積もりを確認し、修理工程が正しいか、修理内容が妥当か、修理金額が正しいかを点検します。
写真の転送媒体を使って写真のみで協定をしたり、必要があれば現物をみて協定を行ないます。
何故このような事を手間暇かけてやるかと言いますと、修理工事が見積もりをカサ増ししていることがよくあるからです。
カサ増しする具体例としては、破損していないパーツを見積もりに含んでいたり、必要のない作業内容を見積もりに含んでいたり、作業料金をカサ増ししていたりなどが挙げられます。
修理工場も営利でやっていますので、なるべく利益を出したいと考えているのでそのようなカサ増しがごく一般的にされています。
ですので、「アジャスター」が妥当な修理工程か、修理内容か、修理金額かをチェックする訳です。
4. 自動車保険会社の「アジャスター」業務体系
「アジャスター」の資格を取得した場合、3つの道があります。
- 損害保険会社の社員
- 鑑定事務所の個人事業主
- 鑑定事務所の社員
の2つです。それぞれ説明します。
損害保険会社の社員
保険会社では、保険会社の社員が事故の案件を担当者として事案処理します。
その中で、保険会社内での「アジャスター」は事故車の損害査定を行います。
具体的な業務は、修理工場へ出向き、修理工場が作成した見積もりの内容に整合性があるかを現物を見て、協定を行います。
鑑定事務所の個人事業主
保険会社から請負業務をおこないます。
具体的には損害保険会社から事故案件を受注し、修理工場へ出向き、修理工場が作成した見積もりの内容に整合性があるかを現物を見ながら協定を行います。
保険会社内の「アジャスター」と業務内容は同じです。
協定後は、損害レポートを保険会社へ提出し、損害調査料を受け取ります。
鑑定事務所の社員
上で説明したように、鑑定事務所の社員として業務を遂行します。
具体的には上で説明したものと同じで、損害保険会社から事故案件を受注し、修理工場へ出向き、修理工場が作成した見積もりの内容に整合性があるかを現物を見ながら協定を行います。
協定後は、損害レポートを保険会社へ提出し、損害調査料を受け取ります。
5. 自動車保険会社の「アジャスター」への交渉はどのようにすれば良いの?
あなたが交通事故に遭い、保険会社の「アジャスター」が窓口になりあなたに交渉をしてきた場合、どのように対応したら良いのでしょうか。
これを解説していきます。
6. 自動車保険会社の「アジャスター」に対抗できるのは〇〇だけ
「アジャスター」への交渉は一般の方では正直かなり難しいです。
理由は先ほどから説明してますように、「アジャスター」はかなり難問な試験に受かった専門職の人だからです。
整備士の資格を保持していても歯が立たない位なので、素人では交渉の土台にすら乗れないでしょう。
「アジャスター」への交渉は、専門家である弁護士をつけて対抗しましょう。
車の知識や査定についてのみで言えば、交通事故を専門にしている弁護士ですらアジャスターの知識に劣ってしまうのですが、弁護士を窓口にする場合、弁護士事務所側で鑑定事務所へ委託し、車の損害査定金額が妥当であるかを確認します。
先ほど説明したように鑑定事務所はアジャスターの個人事業主事務所になるので、こちらも「アジャスター」をつけて交渉ができるのですね。
もし保険会社の「アジャスター」が出てきて、交渉に難航している場合は、一度弁護士事務所に相談してみることをおすすめします。
7. 自動車保険会社の「アジャスター」になりたい
ここでは「アジャスター」になる為の方法を公開します。
「アジャスター」になる為には、王道のルートがあります。
その他にも方法がいくつかありますので、是非これを参考にしてもらえたらと思います。
8. 自動車保険会社の「アジャスター」年収
アジャスターの年収は、まずは2通りに分かれます。
損害保険会社の社員
推定年収 500万円〜800万円
損害保険会社の社員ですので、これくらいが妥当な金額になると思います。
もちろん役職によりけりですが、役職無しでもこれくらいの幅の金額になります。
ちなみに損害保険会社の役職は主任、係長(課長補佐)、課長、次長、所長、センター長、部長となっており、役職に応じてさらに年収も上がってきます。
鑑定事務所の個人事業主
推定年収 100万円〜2,000万円
個人事業主ですので、受注が多ければかなりの年収が狙えますが、受注が少なければ限りなく0に近いです。
私の知っている鑑定事務所は、年商2,000万位と聞きました。
一人で切り盛りする場合は、1日当たり立会い(工場へ査定しに行く事)を2件、1件当たりの単価が3万円だと想定すると、月収で180万円は届くという計算になりますね。
鑑定事務所の社員
推定年収 400万円〜700万円
かなり腕の良くて多くの保険会社を取引先にしている事務所であれば、たくさんの発注をもらうことができますが、繁盛している鑑定事務所はごくわずかです。
殆どが個人事業主として、社員を2.3人抱えている事務所が殆どです。
ですので、あまり受注がない事務所ではさらに推定年収を下回ることもあります。
- 損害保険の社員:推定年収 500万円〜800万円
- 鑑定事務所の個人事業主:推定年収 100万円〜2000万円
- 鑑定事務所の社員:推定年収 400万円〜700万円
9. 自動車保険会社の「アジャスター」に必要な素質
まずは車を好きである事が大前提です。
なぜなら毎日車を見て査定するので、車を好きであることは必須です。
また緻密な見積もりの内容をチェックしたり、計算したりするため、ある程度の数学知識がないと務まりません。
あとは正確性です。
保険会社は金融機関ですので、1円単位で誤差がが出ると後々社内で問題になります。
数値を正しく処理する正確性が必要になります。
また、事故の車の衝撃がどのような角度から入力してきたかなどの考察力も問われてきます。
- 車好きであること
- 数学知識
- 正確性
- 考察力
10. どうやったら自動車保険会社の「アジャスター」になれる?
「アジャスター」になるためには、3つのルートがあります。
整備士で経験を積み、保険会社の「アジャスター」枠で未経験からスタート
これが王道パターンです。
大体の「アジャスター」がまずは整備士の資格をディーラーや修理工場で取得して、経験を積んだ後に保険会社へ入社し、保険会社の社内制度の援助を受け「アジャスター」になります。
保険会社にて担当者としてスタートし、社内制度を使う
保険会社の損害査定部署に入社し、担当職(主に物損)を経験しながら、社内制度を使用し、「アジャスター」資格を取得するパターンです。
整備士の資格を保持してはいないものの、保険会社の物損を経験し知識を付けて、社内制度を活用します。
数としてはこのパターンは少数派ですが、ここから「アジャスター」になる人もいます。
鑑定事務所に入社し、鑑定事務所で「アジャスター」資格を取得する
保険会社に入社せずに「アジャスター」になるパターンです。
鑑定事務所は全国各地にありますが、殆どが一人親方で経営しています。
法人で運営している鑑定事務所以外は採用を殆ど行なっていない為、求人サイトでは滅多にお目にかかりませんが、知人のツテやコネを使って入社し、鑑定事務所で「アジャスター」の資格を取るコースも存在します。
正確に言えば「アジャスター」は日本損害保険協会が実施している試験になりますので、「アジャスター」資格の2,3級を取得し、同時に「鑑定人」の資格を取得する事になります。
11.自動車保険のアジャスター試験
保険会社、鑑定事務所に入社後に、「アジャスター試験」を受けます。
アジャスター試験については、こちらの日本損害保険協会サイトを確認いただきたいのですが、それぞれの試験の概要は下記の通りです。
尚、ここでは「 技術アジャスター 」の資格を紹介します。
基礎研修と受講料:見習前半コースの履修 240,000円 (税別)
見習後半コースの履修 240,000 円(税別)
基礎研修と受講料:初級Aコースの履修 240,000円 (税別)
初級Bコースの履修 240,000円(税別)
基礎研修と受講料:3級コースの履修 240,000円(税別)
基礎研修と受講料:2級コースの履修 240,000円(税別)
見習いから2級を取得するまで、144万円かかってしまいますね。
試験の内容については、詳しくはこちらのサイトにて問題集を購入できます。
また試験日程については、こちらのサイトにて確認ください。
また「アジャスター」の難易度はかなり高く、見習いでも29%の合格率(2018年)となっています。
http://www.sonpo.or.jp/efforts/exam/adjuster/faq/0003.html#q4
合格をさせる資格というよりは、ふるいにかけられる資格といえそうですね。
12. 自動車保険会社の「アジャスター」になろう!
いかがでしたでしょうか。
「アジャスター」は転職サイトで、「損害保険 アジャスター」などのキーワードで検索すればヒットします。
ニッチな仕事だけに、時期が悪ければ中々世に出回っていない時があります。
ちなみに僕は1社目の損保へ転職した際に「リクルートエージェント」を使いました。
2012年に転職したのですが、当時は3社ほど損保の紹介をもらい、面接を受けたことを覚えています。
「エージェント」 をつけるメリットは2つあります。
- 年収の交渉がしやすい
- 実際にエージェントを使用した方が年収が上がる
の2つです。
「エージェント」をつけずに「アジャスター」に転職することは可能ですが、低い年収からのスタートになる可能性が高いです。
僕がそうでした。
2社目の損保へ転職活動をした際は、「エージェント」をつけずにリクナビNEXTから自力で転職を成功させたのですが、内定を貰った後の年収の交渉がかなり難しかったのを覚えています。
実際に2社目では、経験者採用にも関わらず年収が100万も下がってしまいました…
リクルートエージェントの友達に聞いたのですが、その内定を貰った2社目の損保は、エージェント経由だと前職年収の+100万は余裕でいけることを聞いて愕然としたことを今でも覚えています。
僕が失敗したので、皆さんは同じ轍を踏まないようにしてくださいね。
「損保業界では、スタート時の年収が、あなたの昇格にも繋がってきます。」
この言葉は、損保業界に足を踏み入れれば痛いほどわかることになります。
ですので、まずは「リクルートエージェント」や「doda」に登録してみて、エージェントをつけて案件を検索してみてはいかがですか?
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13. 自動車保険の「アジャスター」を目指す方に一言
この記事をご覧になり、「アジャスター」へ興味が湧いてきたら、「アジャスター」になってみてはいかがでしょうか?
保険会社の社員の場合だと、安定した給与をもらえますので、安定を求める方であれば、すごくおすすめですよ。
特に車好きの方であれば、こんなにうってつけの仕事は他にないのではないでしょうか。
最後に、自動車保険会社への転職について詳しく書いた記事を紹介します。
自動車保険の職種や具体的な給与体系を解説しています。
自動車保険会社に興味のある方は是非一読される事をおすすめします。
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