1. 自動車保険の社員に転職する方法について徹底解説します!
具体的には、契約者を加入させる為の営業部、加入を審査するアンダーライティング部、保険金を支払う査定部、約款を改定したり作成したりするクリエイティブ部、契約促進を図るマーケィング部、システムを管理するIT部、あとは人事部・総務部とかかな。
1-1. この記事の目的
今回の記事では「自動車保険の社員に転職したい」人の為に、自動車保険の働き方や業務について詳しく解説をします。
この記事の目的は3つあります。
- 自動車保険の仕事内容が理解できる。
- 自動車保険社員の年収が分かる。
- 自動車保険社員のなり方が分かる。
では早速みていきましょう!
サイトの管理人は、長年に渡って損害保険会社に勤め、自動車保険の査定・示談交渉を行っておりました。
何千件もの交通事故を事故解決へと導いてきました。その経験・実務に則して記事を記載しております。
2.自動車保険の社員に転職しよう<部署編>
自動車保険会社の業務部署は大きく7つに分かれます。
- 営業部
- アンダーライティング部
- 査定部(損害サービス部)
- クリエイティブ部
- マーケィング部
- IT部
- 人事部・総務部
結構あります。
自動車保険と言えば、自動車保険を営業し、契約者を集い、万が一の事故が起こった際に保険金を支払うだけのイメージをしがちですが、実はその他のバックヤード業務が沢山あります。
それではひとつひとつ説明していきます。
3. 自動車保険の社員に転職しよう<業務内容編>
契約者を加入させる為の営業部
契約者を獲得する部署です。
自動車保険の中でも、1番の花形になる部署です。
理由は、売上(保険料収入)を上げる場所であり、会社経営の根幹を支えるポジションだからです。
代理店を抱えている損害保険会社の場合は代理店に営業を任せていますので、自動車保険本体の社員の営業と言えば、代理店の販売促進を行う様な指導、管理を行なっていくことになります。
代理店へ出向し、代理店の社員を指導、管理することも良くあります。
ネット型保険会社の場合は、代理店を抱えておらず、かつ営業部署はありません。
理由はネット型保険という名前の通り、インターネットのみで営業を行なっているからです。
共済の場合は推進部と言って、繋がりのある企業へルート営業を行なったり、窓口販売などを行っていたりもします。
インターネットでの加入も募っていたりするので、共済は代理を抱える損害保険会社とネット型保険をミックスした様な営業になります。
契約受入を行うアンダーライティング部
自動車保険に加入申込みをした人を審査する部署です。
自動車保険の場合、自動車保険加入時に等級というものが付与されます。1-20等級あるのですが、これらの等級を偽って他社に乗り換えてくる人がいたり、以前に加入していた自動車保険で保険金詐欺紛いの事を行なったりする悪質な人がいますので、加入する契約者に問題ないかをアンダーライティング部で審査します。
保険金を支払う査定部(損害サービス部)
保険金を支払う部署です。
実際に事故に遭った契約者から連絡をもらい、契約者の担当となり保険金請求を行い、事故解決まで対応します。
担当者として、保険金の支払い、契約者の事故を示談交渉していく部署です。
ここは少し後で詳しく話していきます。
約款を改訂・作成するクリエイティブ部
保険会社は約款と言われる支払いのルールマニュアルがあるのですが、これらを作成したり改訂を行う部署です。
また営業を行う上で、募集文書や広告を作成するのですが、それらを金融庁などに報告・審査申請するのもここの部署になります。
契約促進を図るマーケィング部
契約者の市場を調査していく部署です。
広告・宣伝戦略もここの部署で行なっていきます。
システムを管理するIT部
社内の端末やサーバーを管理する部署です。
保険会社は保険料を預かったり、保険金を支払ったりするので、出金や入金をIT部で管理し、社内のパソコンなどの端末もここで管理していきます。
人事部・総務部
社員を採用したり、社印の社内異動を決めたりする部署ですね。
ここの部署は保険会社によっては、自動車保険内部にはなく、損害保険会社の大元にある事もあります。
4. 自動車保険の社員に転職しよう<査定部署の業務内容編>
僕が長年所属していた部署なので、少し掘り下げて解説します。
査定の部署は、保険金を支払う部署です。
事故に遭った契約者に保険金の支払いを行なったり、被害者に賠償金を支払ったりする部署になります。
代理店を抱える損害保険は、車の損害の担当が「物損の担当」、怪我の損害の担当を「怪我の担当」と分ける会社が多く、「物損の担当」を女性職員、「怪我の担当」を男性が担当する保険会社が多いです。
ネット型保険会社の場合であれば、どちらも一人の担当者が対応しているケースも散見されます。
大体1担当あたり100件~200件の交通事故の案件を保持し、事故解決に向けて保険金の支払いや示談交渉を行っています。
示談交渉と言うのは、加害者・被害者の2者の間を取り持ち、事故解決に導く交渉の事です。
事故解決する為には、示談書を取り交わし、示談書に書かれている金額(示談金)を保険会社が支払い、解決します。
このように事故を解決する業務を行います。
自動車保険の査定の部署では、バイタリティーやストレス耐久性が求められるます。
何故かと言いますと、事故を起こした人は大きな怪我をしていたり、車が大破していたりしますので、「怒り」や「不安」に満ちている契約者や被害者と話をしていかないといけない部署だからですね。
その様な人を相手にしますので、怒鳴られたり罵声を浴びせられる事は日常茶飯事です。
例えば、「俺の身体を元に戻せ」、「治るまで一生保険金を払え」「新車を買ってこい」などはよく言われるワードです。
僕も良くこれらの言葉は言われていましたし、被害者と面談をして、保険金が少ないとコップの水をかけられる事もありました。
初めはこの仕事が嫌いで仕方ありませんでした。
直ぐに転職をしようと思っていたのですが、事案解決の数を熟していくうちに,
そのような罵声も慣れてきましたし、何を言われてもへこたれないメンタルが出来き、特に苦にならなくなり、いつも間にかずるずる続けていたという感じでした。
やりがいとしては、「交渉力」や「折衝力」や「タスク管理力」が身につく事と、法律の知識や医学の知識がわかるようになることです。
「交渉力」に関しては、契約者や被害者に保険金の支払いを行う中で、支払う支払わないの交渉であったり、時には被害者が弁護士をつけて賠償金の交渉を行ってきますので、賠償金の金額を過去の判例に基づいて話し合う中で、交渉力が身につきます。
「折衝力」に関しては、車の修理工場へ金額交渉したり、代車期間を交渉したり、病院の医師へ治療期間や傷病の因果関係を調査したりする中で、自分にとって有利に話をもっていく術を身につけられます。
「タスク管理力」については、100件~200件の交通事故案件を処理していかなければなりません。
1事案につき、契約者・被害者・修理工場・病院・弁護士等の登場人物がでてくるのですが、それたの登場人物にいつ連絡し、事案を進めるかを組み立てます。
1日のスケジュール管理を分単位で設定することで、自己管理を行うスキルや無数のタスクを管理する能力が身につきます。
法律の知識や医学の知識に関しては、交通事故は加害者が被害者に損害を与えてしまいますので、相手方に損害賠償を行わなければなりません。
その際に、自賠法・民法・過去の事故判例を使い、過失割合や賠償金を決めていきます。
また医学の知識についてですが、交通事故ですので加害者や被害者は怪我をしてしまいます。
その怪我に応じた治療費や、後遺障害の慰謝料等を保険金で支払いますので、絶対的に医学の知識をつける必要があります。
大変な仕事ですが、色んな能力や知識がつきますので、おすすめの仕事ですよ。
5. 自動車保険の社員へ転職する方法
それでは、自動車保険の社員になりたい人の為に、
- 自動車保険の社員の給与
- どういった人が向いているか
- どうやったらなれるか
を解説していきます。
6. 自動車保険の社員に転職しよう<社員年収編>
自動車保険会社の社員の年収は、役職によって大きく分かれます。
平社員 :450万円~700万円
主任:600万円~750万円
係長(課長補佐):650万円~850万円
課長:700万円~1,000万円
所長:850万円~1,100万円
次長:800万円~1,100万円
センター長:900万円~1,200万円
部長:950万円~1,500万円
ちなみに、メガ損保(東京海上日動火災、損保ジャパン、三井住友海上火災)は、課長以降の役職の場合、上記に100万円くらい上乗せした金額になります。
7. (補足)自動車保険の社員時代、僕の過去給与額を公開します
2年目はほぼ変わらず460万円程度。
3年目は少し昇給し500万円程度。
4年目は他府県に異動もあり、550万円程度(別途、家賃補助月9万円)
5年目は東京に異動になり630万円程度(別途、家賃補助月12万円)
6年目は代理店へ出向し、課長補佐に就任し、650万円程度
7年目は引き続き代理店で680万程度
他社へ転職
のような感じでした。
始めの2年目までは全く給与が上がらず、昇給の通知書を見たときに愕然としていたのを覚えています。
かなりの事案を解決したのにこれだけって感じでしたね。
その時は流石に転職も考えたりしていました。
ただ、3年目以降は徐々に上がっていき、家賃代を含めると20代最後には700万円を超える収入になっていました。
20代で700万円も貰えれば他の業界よりはかなり良い方だと思います。
8. 自動車保険の社員へ転職しよう、損保社員に向いている人とは?
基本的にはどんな人でもなれますが、特に備わっていた方が良い素質を、列挙したいと思います。
- 素直さ
- 愚直さ
- 真面目さ
- 正確さ
- メンタル耐久性
「素直さ」に関してですが、多くのことを学習していかなければならない仕事ですので、初めのうちは素直に先輩の言うことを聞いて吸収できる人が圧倒的に成長することができます。
できる損保マンは、歳をとっても傲慢でなく素直な人が多く、その様な人達が役職も上がっている気がします。
「愚直さ」、「真面目さ」の必要性について書きます。
自動車保険会社は金融庁が管理しています。
金融庁はかなり厳しい管轄庁でして、定期的に保険会社に視察が入ります。
個人情報やお金を扱う関係上、厳重に保険会社を監視していますし、保険会社も金融庁に指摘されない様に社内を厳格なルールの基管理します。
ですので、特に不誠実な対応を嫌いますし、清廉潔白と言いますか、その様な姿勢をしている人が好まれます。
ですので怠惰・不真面目な方はおそらく居心地がかなり悪いと思います。
「正確性」、「メンタル耐久性」についてですが、どこの業界でも必要だと思いますが、特に自動車保険会社の社員は必要です。
自動車保険会社は金融業界の為、まずはミスが許されません。
仮に郵送先を間違えて契約者と別の人に送付してしまった日には、かなり怒られますし、顛末書を会社に提出しないといけません。
金融庁管轄ですので、金融庁に報告を上げる作業もあり、これを一回でもしてしまうと昇格や昇給は無いと思ったほうが良いです。
誤払いも許されません。
1円単位でも誤って保険金を支払ってしまった場合は、その1円を回収するのはもちろんのこと、顛末書です。
一回でもしてしまうと昇格や昇給は無いと思ったほうが良いです。
このような具合に正確性を求められる仕事なので、かなり神経を使いますし、BtoCで業務を行う部署であれば、契約者のクレーム処理も行わなければなりません。
社内のパワハラ等もたまにある会社もありますので、メンタル耐久性は必須です。
9. どうやったら自動車保険の社員に転職できる?
自動車保険の社員になる為の方法を解説します。
自動車保険会社には3つのルートがあります。
エージェントに登録し、未経験で転職に挑む
自動車保険会社とは全く関係のない業態から未経験で転職活動を行うパターンです。
未経験から入社する場合は、エージェント経由で紹介してもらう方法になります。
ちなみに、自動車保険の社員への転職は、普通のリクナビやデューダなどの検索ではほぼ無いです。
稀にリクナビなどのサイトで地方の査定業務を募集しているものがありますが、それ以外の職種は皆無です。
なるべく優秀な人材を保険会社は採用したいと思っていますので、基本はエージェントを通しています。
ちなみに僕もリクルートエージェントを通して未経験から転職しました。
未経験の場合は特に必要なスキルは求められず、人間性を見られます。
エージェントに登録し、経験者枠で転職する
元々自動車保険で働いており、他損保に転職するパターンです。
経験者枠で転職をする際も、エージェントに登録し紹介をもらう方法になります。
自動車保険の仕事は、他の自動車保険と行なっている業務は同じですので、汎用性が非常に高く、自動車保険間の人の移動は頻繁に行われています。
よくあるのが、代理店を抱えている国内損保からネット型保険会社への転職です。
余談ですが、ネット保険会社は他損保で経験を積んだ社員の集まりみたいな集団ですので、沢山の自動車保険会社のノウハウを学ぶことができます。
ちなみに僕もエージェントに紹介してもらい、2回目の自動車保険間の転職を経験しました。
経験者採用であれば、前職の給与をベースに年収の交渉を行う方とが可能ですので、普通は前職よりも50万円〜100万円は年収がアップします。
コネで入社する
正規のルートではないですが、実はこの方法も存在します。
「知り合いの親の繋がりで入社した」、「前職で同じ社員だった人が転職先で出生し、その人のツテで入社した」、「飲み会の席でたまたま仲良くなりそこから入社した」、等です。
全部僕の知り合いの例です。
コネ入社は確かに存在します。
もし周りに自動車保険会社で働いている人がいたら、そのツテを使い一度チャレンジしてみるのもありかと思います。
10. まとめ、自動車保険会社へ転職しよう
いかがでしたか?
自動車保険会社へ入社すれば、大変な事は沢山ありますが、他の業界よりは給与面で安定的に働くことができます。
また、キャリアを積んでから他損保への転職も全く問題なく出来ますので、潰しが効く業界でもあります。
また男性の場合、損保で働いていると飲み会の席で言えば、結構女性の見る目がかわります。
僕は損保の前は生保の営業をしていたのですが、飲み会の席で生保と言えばかなり相手に警戒されていました。
おそらく営業をかけられると直感的に感じるのでしょう。(実際に営業をかけていましたがw)
損保は、何故かほぼ警戒されませんし、そればかりか高収入ですごいと思われることが多かったです。
モテる事を目的にするだけでは無いのですが、そう言う事もおまけで付いてくると思えばすごくコスパは良いですよね!
よかったら是非損保マンとして働いてみてはどうでしょうか。
広告かよと思われてしまうかもしれませんが、そう言う事は抜きにして、僕は2回の転職をリクルートエージェントで成功しましたので、すごくおすすめです。
デューダでのエージェントでも全然良いですよ!
まずは登録してみて、自動車保険の案件を探してみましょう!