- 1 1. 自動車保険の等級とは?解説します!
- 2 2. 自動車保険の等級とは?
- 3 3. 自動車保険の等級を簡単に要約すると・・・
- 4 4. 自動車保険の等級とは、<事故のあり、なしで割増引が変わる>
- 5 5. 自動車保険の等級とは、<前年の契約の事故の有無が、翌年の契約の保険料に反映される>
- 6 6. 自動車保険の等級とは、<6等級からスタートする>
- 7 7. 自動車保険の等級とは、<1年間無事故だと、1等級くり上がる>
- 8 8. 自動車保険の等級とは、<1回の事故で3等級下がる>
- 9 9. 自動車保険の等級とは、<3等級下がれば、3年間、事故ありの割引率が適用される>
- 10 10. 自動車保険の等級とは、<事故以外の盗難や台風、洪水、高潮での車両保険使用は、例外的に1等級下がる>
- 11 11. 自動車保険の等級とは、<人身傷害保険の使用だと、等級は下がらない>
- 12 12. 自動車保険の等級とは、<満期日もしくは満期日から一定期間の契約継続の手続き更新がなければ、初めの6等級からスタートする>
- 13 13. 自動車保険の等級とは、<車を、廃車、譲渡、返還や契約者の海外渡航などで契約を中断する場合、「中断特則」を用いれば等級が下がらずに持続させることができる>
- 14 14. 自動車保険の等級とは(総括)
1. 自動車保険の等級とは?解説します!
1-1. この記事の目的
この記事では、長年自動車保険会社で査定業務を行ってきた僕が、自動車保険の等級とは何か?を解説していきます。
ちなみに、ここでいう自動車保険は任意保険であることを前提に話を進めていきます。
この記事の目的は2つあります。
- 自動車保険の等級とは何かがわかる。
- 自動車保険の等級があなたにとって重要であることがわかる。
それでは早速みていきましょう。
出島Z
損害保険業界に10年居座り続けてしまった出島Zです。元々は生命保険の営業を行っており、その後某外資系自動車保険会社に入社し、交通事故の査定業務、示談交渉を行なっていました。物損担当者・人身損害担当者を経験し、年間600件以上の交通事故を解決に導いてきました。正確に数えてはいないですが、トータル5,000件以上は確実に示談を行ってきました。損保を2社渡り歩きました。FP資格、損害保険募集人(自動車保険、火災保険、傷害疾病保険)、生命保険募集人、共済募集人、高校教員免許保持者。趣味は音楽鑑賞、作成、DJ、ブログ、インテリア、グラフィックデザインです。
2. 自動車保険の等級とは?
この記事では、自動車保険の等級とは何かを解説していきます。
まず、等級について詳しく記載しているエビデンスを引用したいと思います。
まずは、「日本損害保険協会」が提示している「等級」の意味です。
問23 自動車保険の「等級」について教えてください。
答え
自動車保険では保険期間中の事故の有無に応じて保険料の割増引が行われます。前年の契約の事故の有無が翌年の契約の保険料に反映されるというもので、この事故情報を「等級」として表示しています。
引用先:日本損害保険協会
https://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q023.html
さらに続きがあります。
- 自動車保険では、事故の内容や回数に応じて、契約者ごとに「等級」が設定されており、この等級に応じて保険料が割増引されます。初めて自動車保険を契約した場合は6等級に位置付けられ、1年間事故がないと1等級上がって7等級となり、保険料が割引されます。逆に、事故を起こして保険金の支払いを受けると、1事故につき3等級下がって3等級となり、保険料が割増されます。
なお、有事故契約者と無事故契約者の保険料負担を公平にするため、有事故契約者は3年間、低い割引率が適用されます(3年間無事故で過ごせば、無事故契約者と同じ割引率が適用されます。)。- ただし、「等級」による保険料の割増引は、ノンフリート契約者に対して適用される料率制度で、フリート契約者に対しては、別の料率制度があります(「問22」参照)。
- 盗難や台風、洪水、高潮などによって車両保険の保険金を受け取った場合などは、1事故につき1等級下がります(これを「1等級ダウン事故」といいます。)また、1年間、有事故契約者の低い割引率が適用されます(1年間無事故で過ごせば、無事故契約者と同じ割引率が適用されます。)。
- このほか、ケガにより人身傷害保険の保険金を受け取ったとしても、事故がなかったものとして1等級アップする場合(これを「ノーカウント事故」といいます。)があります。取扱いは各社によって異なる場合がありますので、詳しくは保険会社または代理店に問い合わせることが必要です。
- 満期の際に契約継続の手続きを行えば、前契約の等級を継承することができます。しかし、満期日から一定の期間を過ぎても契約継続の手続きを行わなかった場合には、新規契約として扱われ、それまでの等級アップによる割引が受けられないことになります。契約継続の手続きを忘れることのないようにするために、保険会社では契約者に連絡するようにしていますが、満期日の管理には十分注意する必要があります。なお、契約者から継続しない旨の意思が示されない限り、自動的に契約を継続する特約を用意している保険会社もあります。
- 契約時に特定した自動車(以下「被保険自動車」といいます。)の廃車・譲渡・返還等や契約者の海外渡航などに伴い、やむを得ず契約を中断する場合、一定の条件を満たせば、中断後に新たに契約する保険に中断した契約の等級を継承できる制度があります。これを「中断特則」といい、一般的に、解約日から13か月までに手続きをする必要があります。また、その手続きにあたっては、中断証明書発行依頼書、保険証券、抹消登録証明書などの廃車・譲渡・返還等が確認できる資料が必要となります。
- 車の買い替えなど、被保険自動車を変更(車両入替)する必要が生じたときには、書面により保険会社へその旨を通知することが必要です。このときに保険会社が承認した場合には、契約内容を引継ぐことができます(「問24」参照)。
引用先:日本損害保険協会
https://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q023.html
結構長く記載していますね・・・・
これらを簡単な言葉で要約していきます。
3. 自動車保険の等級を簡単に要約すると・・・
先ほど「日本損害保険協会」が提示している「等級」のエビデンスを紹介しました。
難しく記載されていますので、簡単に要約したいと思います。
- 事故のあり、なしで割増引が変わる
- 前年の契約の事故の有無が、翌年の契約の保険料に反映される
- 6等級からスタートする
- 1年間無事故だと、1等級くり上がる
- 1回の事故で3等級下がる
- 3等級下がれば、3年間、事故ありの割引率が適用される
- 事故以外の盗難や台風、洪水、高潮での車両保険使用は、例外的に1等級下がる
- 人身傷害保険の使用だと、等級は下がらない
- 満期日もしくは満期日から一定期間の契約継続の手続き更新がなければ、初めの6等級からスタートする
- 車を、廃車、譲渡、返還や契約者の海外渡航などで契約を中断する場合、「中断特則」を用いれば等級が下がらずに持続させることができる
簡単に要約したつもりが、これだけのボリュームになってしまいました・・・
等級とは上記に記載したようなものです。
一つ一つ見ていきます。
4. 自動車保険の等級とは、<事故のあり、なしで割増引が変わる>
事故のあり、なしで割増引が変わります。
どういうことかと言いますと、
等級には1等級から20等級まであり、事故を起こしていない場合は、下記の「無事故」の欄の割引率を使っていきます。
もし事故を起こしてしまった場合は、「有事故」の欄の割引率を使用していきます。
【等級別割増引率例】
等級 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
無事故 | 64% | 28% | 12% | −2% | −13% | −19% | −30% | −40% | −43% | −45% |
有事故 | −20% | −21% | −22% | −23% |
等級 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
無事故 | −47% | −48% | −49% | −50% | −51% | −52% | −53% | −54% | −55% | −63% |
有事故 | −25% | −27% | −29% | −31% | −33% | −36% | −38% | −40% | −42% | −44% |
- 引用先:日本損害保険協会
https://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q023.html
事故を起こした場合と起こさなかった場合の割引率がそれぞれ異なると言うことです。
5. 自動車保険の等級とは、<前年の契約の事故の有無が、翌年の契約の保険料に反映される>
前年の契約の事故の有無が、翌年の契約の保険料に反映されます。
仮に2020年1月から2020年12月までの契約があるとします。
等級は15等級だと仮定します。
2020年4月に事故を起こしてしまった場合は、すぐにその年に3つの等級が下がるわけではなく、
次年度の2021年1月から12等級(15等級−3等級)になると言うことです。
6. 自動車保険の等級とは、<6等級からスタートする>
6等級からスタートします。
等級は1等級から20等級まであり、新規で任意保険に加入した場合は6等級からスタートすると言うことです。
7. 自動車保険の等級とは、<1年間無事故だと、1等級くり上がる>
1年間無事故だと、1等級くり上がります。
仮にあなたが15等級で、2020年1月から2020年12月までの契約に加入していたとします。
この2020年で無事故で保険使用がなければ、16等級(15等級+1等級)にくり上がるということです。
8. 自動車保険の等級とは、<1回の事故で3等級下がる>
1回の事故で3等級下がります。
仮にあなたが15等級で、2020年1月から2020年12月までの契約に加入していたとします。
2020年3月に追突事故を起こし、自動車保険を使用したとします。
その場合、3つ等級が下がりますので、次年度の2021年1月から12等級(15等級−3等級)からスタートします。
9. 自動車保険の等級とは、<3等級下がれば、3年間、事故ありの割引率が適用される>
3等級下がれば、3年間、事故ありの割引率が適用されます。
仮にあなたが15等級で、2020年1月から2020年12月までの契約に加入していたとします。
2020年3月に追突事故を起こし、自動車保険を使用したとします。
その場合、3つ等級が下がりますので、次年度の2021年1月から12等級(15等級−3等級)からスタートします。
また下記の表で保険料(掛け金)の割引率を適用する場合、3年間事故有りの割引率になりますので、
- 2021年:−27% (12等級 有事故を適用)
- 2022年:−29% (13等級 有事故を適用)
- 2023年:−31% (14等級 有事故を適用)
が適用されます。
【等級別割増引率例】
等級 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
無事故 | 64% | 28% | 12% | −2% | −13% | −19% | −30% | −40% | −43% | −45% |
有事故 | −20% | −21% | −22% | −23% |
等級 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
無事故 | −47% | −48% | −49% | −50% | −51% | −52% | −53% | −54% | −55% | −63% |
有事故 | −25% | −27% | −29% | −31% | −33% | −36% | −38% | −40% | −42% | −44% |
- 引用先:日本損害保険協会
https://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q023.html
10. 自動車保険の等級とは、<事故以外の盗難や台風、洪水、高潮での車両保険使用は、例外的に1等級下がる>
事故以外の盗難や台風、洪水、高潮での車両保険使用は、例外的に1等級下がります。
一般的な事故は3等級下がるのでしたね。
ただし、盗難や台風、洪水、高潮での「車両保険」を使用した場合です。
「車両保険」の上記に当てはまる場合だけですので注意が必要です。
11. 自動車保険の等級とは、<人身傷害保険の使用だと、等級は下がらない>
人身傷害保険の使用だと、等級は下がらりません。
人身障害保険とは、あなたの保険であなたの怪我の損害を実費分補償する保険です。
この保険を使用する場合は、等級は下がりません。
人身障害保険については<僕が以前書いた記事>に詳しく書いていますので、こちらを参照ください。
12. 自動車保険の等級とは、<満期日もしくは満期日から一定期間の契約継続の手続き更新がなければ、初めの6等級からスタートする>
満期日もしくは満期日から一定期間の契約継続の手続き更新がなければ、初めの6等級からスタートします。
自動車保険には始期日と満期日というものがあります。
先ほどから例に挙げている2020年1月から2020年12月までの契約で言えば、
- 2020年1月1日が始期日で契約がスタートする日で、
- 2020年12月31日が満期日で契約が終了する日です。
自動車保険は満期日までに契約を更新する手続きを行わなければ、契約が更新されません。
なお満期日を7日(保険会社によっては8日)を超えてしまえば契約が更新されずに等級も振り出しに戻ってしまいます。
満期日もしくは満期日から一定期間の契約継続の手続き更新がなければ、初めの6等級からスタートするということになります。
13. 自動車保険の等級とは、<車を、廃車、譲渡、返還や契約者の海外渡航などで契約を中断する場合、「中断特則」を用いれば等級が下がらずに持続させることができる>
車を、廃車、譲渡、返還や契約者の海外渡航などで契約を中断する場合、「中断特則」を用いれば等級が下がらずに持続させることができます。
中断証明書をいう書類を自動車保険会社から取り付け、契約を中断することができ、等級も据え置きすることができるのですね。
<僕が以前記載した記事>で、契約の中断については詳しく記載しているものがありますので、気になる方はこちらを参照ください。
14. 自動車保険の等級とは(総括)
いかがでしたか?
等級とは、ちょっと一言では言い表せないものでしたね。
- 事故のあり、なしで割増引が変わる
- 前年の契約の事故の有無が、翌年の契約の保険料に反映される
- 6等級からスタートする
- 1年間無事故だと、1等級くり上がる
- 1回の事故で3等級下がる
- 3等級下がれば、3年間、事故ありの割引率が適用される
- 事故以外の盗難や台風、洪水、高潮での車両保険使用は、例外的に1等級下がる
- 人身傷害保険の使用だと、等級は下がらない
- 満期日もしくは満期日から一定期間の契約継続の手続き更新がなければ、初めの6等級からスタートする
- 車を、廃車、譲渡、返還や契約者の海外渡航などで契約を中断する場合、「中断特則」を用いれば等級が下がらずに持続させることができる
これらを総称して等級と呼びます。
自動車保険の等級は、あなたが自動車に乗り続ける以上は必ずつきまとってくるものになります。
自動車保険の等級の仕組みを理解することで、
- あなたの保険料(掛け金)を把握することができますし、
- 保険を使用した方がお得かお得でないかを選択する
ことだってできます。
あなたの自動車ライフにおいて等級は切っても切れない関係ですので、ぜひこの記事を通して等級についてご理解いただけたらと思います。