1.ドライブレコーダーは前後に必要?徹底解説します!
1-1. この記事の目的
この記事では「ドライブレコーダーは前後に付けた方が良いか? 」ついて詳しく解説をします。
この記事の目的は2つあります。
- ドライブレコーダーが前後に必要かがわかる。
- ドライブレコーダーを後方に取り付ける重要性が理解できる。
それでは早速みていきましょう。
出島Z
損害保険業界に10年居座り続けてしまった出島Zです。元々は生命保険の営業を行っており、その後某外資系自動車保険会社に入社し、交通事故の査定業務、示談交渉を行なっていました。物損担当者・人身損害担当者を経験し、年間600件以上の交通事故を解決に導いてきました。正確に数えてはいないですが、トータル5,000件以上は確実に示談を行ってきました。損保を2社渡り歩きました。FP資格、損害保険募集人(自動車保険、火災保険、傷害疾病保険)、生命保険募集人、共済募集人、高校教員免許保持者。趣味は音楽鑑賞、作成、DJ、ブログ、インテリア、グラフィックデザインです。
2. ドライブレコーダーは前後に必要です
ドライブレコーダーは前後に必要かを説明します。
まず結論から言いますと、 ドライブレコーダーは前後に必要です。
理由はドライブレコーダーを前方に付けて把握できる事故形態は多いが、 後方からの追突事故に遭う被害事故の可能性は最も高いからです。
下の表をみてください。
平成30年度の事故形態の割合を示したものです。
○ 事故類型別・道路形状別交通事故件数(平成30年中) | |||||
事故類型別 | 事故様態 | 全道路形状 | |||
人数 | 構成率 | ||||
人対車両 | 対面通行中 | 3,047 | 0.7 | ||
背面通行中 | 4,539 | 1.1 | |||
横断中 | 横断歩道 | 15,544 | 3.6 | ||
横断歩道付近 | 1,391 | 0.3 | |||
横断歩道橋付近 | 90 | 0.0 | |||
その他 | 10,384 | 2.4 | |||
小計 | 27,409 | 6.4 | |||
路上遊戯中 | 247 | 0.1 | |||
路上作業中 | 647 | 0.2 | |||
路上停止中 | 1,023 | 0.2 | |||
路上横臥 | 315 | 0.1 | |||
その他 | 11,391 | 2.6 | |||
小計 | 48,618 | 11.3 | |||
車両相互 | 正面衝突 | 9,241 | 2.1 | ||
追突 | 進行中 | 13,630 | 3.2 | ||
その他 | 135,931 | 31.6 | |||
小計 | 149,561 | 34.7 | |||
出会い頭 | 106,631 | 24.8 | |||
追越追抜時 | 7,399 | 1.7 | |||
すれ違い時 | 4,473 | 1.0 | |||
左折時 | 19,149 | 4.4 | |||
右折時 | 35,037 | 8.1 | |||
その他 | 39,123 | 9.1 | |||
小計 | 370,614 | 86.1 | |||
車両単独 | 工作物衝突 | 電柱 | 757 | 0.2 | |
標識 | 165 | 0.0 | |||
分離帯安全島 | 446 | 0.1 | |||
防護柵等 | 1,432 | 0.3 | |||
家屋・塀 | 646 | 0.2 | |||
橋脚・橋梁 | 100 | 0.0 | |||
その他 | 1,417 | 0.3 | |||
小計 | 4,963 | 1.2 | |||
駐車車両 | 811 | 0.2 | |||
路外 | 転落 | 494 | 0.1 | ||
逸脱 | その他 | 214 | 0.0 | ||
小計 | 708 | 0.2 | |||
転倒 | 3,038 | 0.7 | |||
その他 | 1,766 | 0.4 | |||
小計 | 11,286 | 2.6 | |||
列車 | 83 | 0.0 | |||
全事故類型 | 430,601 | 100.0 | |||
構成率 | 100.0 | - |
引用元:
警察庁
https://www.npa.go.jp/news/release/2019/20190226001.html
政府統計ポータルサイト
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00130002&tstat=000001027457&cycle=7&year=20180&month=0
見ていただくとわかるように、全体を100%とした時に、後方からの追突事故の形態は34.7%もあります。
ちなみに追突事故とは、同方向に走行している後方車両が、前方車両に衝突する事故の形態を言います。
図で表すとこんな感じですね。
この場合、Bの車が急なブレーキをしていない場合に限り、Aが100%の責任があり、Bは0%の責任になります。
ですので、Aが加害者で、Bが被害者にまります。
他の事故形態に比べ、一番高い割合で発生する事故形態です。
この場合、ドライブレコーダーが必要になるのは、被害者側に立ったBです。
ということは、後方を映す証拠が必要になってきますね。
次いで多いのが、出会い頭の事故形態です。
図で表すとこんな感じですね。
出会い頭事故とは、双方が直進し、交差点の中で衝突することを指します。
これはたまたま十字路ですが、これがT字路でも出会い頭事故に該当します。
この場合、ドライブレコーダーが必要になるのは、AとBです。
この場合は、前方を映す証拠が必要になります。
判例図引用先:伊佐行政書士事務所
http://www.jiko-online.com/index.htm
3. ドライブレコーダーが必要な場面
ドライブレコーダーの録画データーが必要な場面を紹介します。
ドライブレコーダーが必要なシーンは、
- 当て逃げをされて、相手を特定できない時
- あおり運転をされた時
- 被害事故に遭った時
- 事故で相手と事故状況の主張が一致しない時
- 車上荒らしに遭った時
です。
①に関しては、当て逃げ犯を特定するために動画として証拠があれば、相手を特定できる可能性が高くなることは理解できますよね。
相手を特定するためにドライブレコーダーが必要になるケースです。
②に関しても、あおり運転をされた際、相手から危害を加えられていることを証拠として残し、加害者へ行政上、刑事上の処分を下してもらうためにドライブレコーダーが必要であることは理解できますね。
③に関しては、被害事故に遭った際、加害者が責任を逃れないようにするためにドライブレコーダーが必要になります。
どういうことかと言いますと、100%の過失割合があるにも関わらず、加害者が被害者に損害賠償を行わない、そもそも自分は加害者ではなく、行政上、刑事上の責任も一切ないと主張をする場合です。
頻度で言いましたら、そこまで多くはないのですが、加害者が不誠実な人の場合、このようなケースもありますので、自身が被害者であることを主張するための証拠として必要になります。
④に関しては、お互いの事故状況の主張に食い違いが生じることがある場合に、動画として証拠を残すことで、はっきりと事故状況の正解を導きだせることになります。
頻度で言いましたら、結構な確率で事故状況の主張の食い違いはあります。
例えば、上記で説明した出会い頭の事故は高頻度で責任割合で揉めます。
⑤に関しては、窃盗犯を特定し、捕まえるためです。
というように、ドライブレコーダーは上記で書いたシーンで必要になります。
逆に言いますと、上記以外のシーンでは必要ではないということです。
ということは加害者では、特にドライブレコーダは必要ないことになります。
4. ドライブレコーダーの目的
ドライブレコーダーのそもそもの目的を説明します。
ドライブレコーダーは、誰が何の目的で使用するのでしょうか?
先に答えを言いますと、
- 誰が ⇒ 「行政上・刑事上=警察」、「民事上=損保社員、弁護士、裁判所」 が
- 何のため ⇒「行政上・刑事上・民事上」において、あなたの無実を0に近づける」ため
になります。
まずはここをしっかり抑えましょう。
仮に、先ほど説明しましたあおり運転に遭遇した場合で考えていきましょう。(現行の法律に当てはめて考えますね)
あなたがあおり運転に遭い、加害者にあおられた挙句、加害者が車から降りてきて車を蹴り、あなたの車を傷つけられたと仮定します。
その場合、ドライブレコーダーに動画として事故の一部始終が残っている場合に限り、加害者に対し、
- 行政上の責任では「3年以下の懲役または50万円以下の罰金(違反点数25点)」「5年以下の懲役または100万円以下の罰金(違反点数35点)」を問えます。
- 刑事上の責任では「妨害罪」を問えます。
- 民事上の責任では、100%の損害賠償請求権を行使できます。
一見すると、加害者に行政上・刑事上・民事上の責任が発生する様に思えますが、逆です。
あなたに行政上・刑事上・民事上の責任がない事を証明しています。
どういう事かと言いますと、ドライブレコーダーが無い場合、おあり運転の加害者と戦うので有れば、あおり運転をされた「根拠」が必要になってきます。
加害者が、「自分はあおり運転をしました、車を蹴りました」と正直にいえば良いのですが、あおり運転をしてくるような人ですので、ほとんどが「あおり運転なんかしてない、車も蹴っていない、むしろ後ろからあおられた」と主張してきます。
その様に意見が割れた際に、あなたにも加害者であることのレッテルが張られ、「行政上・刑事上・民事上」の責任が発生する可能性が出てきます。
それを防ぐのが、ドライブレコーダーです。
あらぬ疑いをかけられた際に、ありのままの事実を動画で記録する事で、 「行政上・刑事上・民事上において、あなたの無実を0に近づける」ことができるのですね。
先ほど説明しました5つはすべてこの法則に当てはまります。
- 当て逃げをされて、相手を特定できない時
- あおり運転をされた時
- 被害事故に遭った時
- 事故で相手と事故状況の主張が一致しない時
- 車上荒らしに遭った時
①の当て逃げをされたことに関しても、ドライブレコーダーをつけていれば、あなたが単独事故(自身の過失100%になります)を起こしていないことを証明することになります。
②のあおり運転は先ほど説明した通りです。
③の被害事故の遭った場合に関しても、 ドライブレコーダーをつけていればあなたが無実であることを証明することになります。
④の相手と事故状況の主張が一致しない場合も、 ドライブレコーダーをつけていればあなたの主張する状況を証明し、あなたの無実を0に近づけてくれます。
⑤の車上荒らしに関しても、車内にライブレコーダーをつけていれば、第三者の犯人が存在し、あなた自身が車上を荒らし保険金詐欺をしているのではないことを証明することになります。
5. ドライブレコーダーは前後に必要です
ドライブレコーダーは前後に必要です。
理由は、ドライブレコーダーを前方に付けて把握できる事故形態は多いが、 後方からの追突事故に遭う被害事故の可能性は最も高いからです。
また僕の記載した記事で、「正しいドライブレコーダーの選び方」というものがありますので、是非こちらも見ていただくとより理解に繋がると思いますので、一読いただけたらと思います。
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