6.おすすめできない自動車保険のデマを流しているサイトに注意!
補足事項です。
「おすすめできない自動車保険」を紹介しているデマサイトに注意してもらいたいと思い、追記しています。
とあるサイトで、
「おすすめできない自動車保険」=日本損害保険協会により発表される「苦情件数」
と定義づけ、具体的な自動車保険を紹介しているサイトがありますが、これはまったくのデマ情報なので注意していただくようにしてください!
デマである根拠として、日本損害保険協会は「苦情件数が多い=お客様への対応に問題がある会社である」とは、一概に言えないことをわざわざ注意書きまでしてHP上に挙げているからです。
下記画像は日本損害保険協会から引用させてもらっています。
お願い
会員各社毎の「お客様の声」の件数をご覧になる際には、次の点にご留意いただくとともに、その件数や内訳だけでなく、当該会社の取組み方針や対応態勢、改善に向けての取組み等、また会員会社の会社概要等もあわせてご確認下さいますようお願いいたします。
「他社と比較して件数が多い=お客様への対応に問題がある会社である」とは、一概にはいえません。
◇ご留意いただきたい点
- 契約件数(特に、自動車保険等の賠償責任保険契約)が多い会社の場合、当該契約に関係のある方(ご契約者、保険の補償対象となる方、被害者の方(賠償責任保険の場合))が多いこともあり、「お客様の声」の件数が多くなる傾向にあります。
- 「お客様の声」を積極的に収集するため、会員各社が「お客様の声」をお受けする窓口を増やし、より多くの機会にご案内していくことで、「お客様の声」の受付件数が多くなる傾向にあります。
引用元:日本損害保険協会
https://www.sonpo.or.jp/member/comment/summary.html
どういうことかちゃんと説明しますね。
自動車保険の業界では、「お客様の声」を 「お客様から不満足の表明があったもの 」という分類で受付しています。
この「お客様」の中には、自動車保険に加入している契約者以外に、保険の補償対象となる「被害者の方」の声も含まれています。
要するに、純粋な「契約者」だけの声を拾っている訳ではない!のですね。
自動車保険を支払う対象は大きく2人の登場人物に分かれます。
- 契約者
- 被害者(複数いる場合もあり)
自動車保険では、契約者の事故に対して、契約者か被害者に保険金が支払われ、契約者の事故を自動車保険が仲介し被害者に対して示談交渉を行います。
ですので、ここではこのような法定式が成り立ちます。
- 自動車保険会社(任意保険)と契約者 = 自動車保険会社が契約者へ補償を行う関係 = 契約履行の関係(簡単に言えば味方同士)
また契約者が加害者であれば(仮に赤信号無視で交差点に進入し、別の車に追突事故を起こしてしまった場合など)保険会社が被害者の車の修理金額や怪我の損害を賠償していきます。
ここでの関係は、
- 自動車保険会社(任意保険)と被害者 = 自動車保険会社が被害者へ賠償を行う関係 = 賠償金を協議する関係(簡単に言えば敵同士)
このような構図が成り立ちます。
見ておわかりのように、対契約者と対被害者で、自動車保険会社の立場役割が変わってきます。
自動車保険会社は、契約者に対しては、保険料(掛け金)をいただく代わりに万が一の事故が発生したら、保険金の支払いや示談交渉サービスを行う契約関係にありますので、基本は見方同士です。
ですので、ここの契約者から自動車保険への評価・関係性は、よっぽどのことがない限りは良好です。
それとは逆に、被害者に対しては契約者(加害者)の起こしてしまった事故を、契約者(加害者)に肩代わりして自動車保険会社が賠償金額を支払っていく立場になります。
この自動車保険と被害者の関係では、必ずしも被害者の要望に応えるようなサービスではなく、先ほど説明した賠償の法律や規定に則った対応を客観的に進めていくんですね。
お察しの通り、ここの関係で頻繁に自動車保険会社と被害者はよく揉めてしまいます。
理由は、「被害者は自分にとって思い通りになる損害を自動車保険へ請求しますが、必ずしも被害者が要望するものが補償されないことも多々あるから」と、「被害者であるがゆえに感情的に昂っている状態であるから」です。
日本損害保険協会で拾っている苦情の件数は、対物保険や対人補償(いわゆる賠償保険)で支払えないような項目を賠償するように主張してきている被害者が、「お客様の声」として報告しているものや、損害賠償上の金額にそもそも争いがある内容ものを被害者が「お客様の声」として報告しているものが多く含まれています。
さらに、日本損害保険協会では「お客様の声」を 苦情、 契約・募集行為、 契約の管理・保全、 保険金、 その他、 ご意見・ご要望という項目に分けて受付していますが、この「苦情」という項目の実態は、「ただの質問」や「苦情ではない声」も「苦情」という区分で処理されています。
これらの根拠はもちろんあって、下記の通りです。
日本損害保険協会では、「お客様の声」を「お客様から不満足の表明があったもの」としております。
引用元:日本損害保険協会
https://www.sonpo.or.jp/member/comment/summary.html
「お客様から不満足の表明があったもの」を「お客様の声」としているではないことがポイントです。
要は「お客様や被害者のぼやきや質問」⇒「お客様から不満足の表明があったもの」で登録するシステムになっているんですね。
また何度も書きますが、日本損害保険協会はこのように注意書きまでしています。
お願い
引用元:日本損害保険協会
会員各社毎の「お客様の声」の件数をご覧になる際には、次の点にご留意いただくとともに、その件数や内訳だけでなく、当該会社の取組み方針や対応態勢、改善に向けての取組み等、また会員会社の会社概要等もあわせてご確認下さいますようお願いいたします。
「他社と比較して件数が多い=お客様への対応に問題がある会社である」とは、一概にはいえません。
◇ご留意いただきたい点
契約件数(特に、自動車保険等の賠償責任保険契約)が多い会社の場合、当該契約に関係のある方(ご契約者、保険の補償対象となる方、被害者の方(賠償責任保険の場合))が多いこともあり、「お客様の声」の件数が多くなる傾向にあります。
「お客様の声」を積極的に収集するため、会員各社が「お客様の声」をお受けする窓口を増やし、より多くの機会にご案内していくことで、「お客様の声」の受付件数が多くなる傾向にあります。
https://www.sonpo.or.jp/member/comment/summary.html
わざわざ誤解の無いように注意書きまでしています!(2回目)
ちなみに自動車保険会社(代理店を除く)で働いたことがある僕らのような人間の間では、「お客様の声」=必ずしも「苦情」ではないという認識は常識なのですが、この業界を全く知らない人からしたら、苦情と言えばマイナスな評価の声と認識してしまうのは当然と言えば当然です。
裏を返せば、素人が書いているサイトは、ここを単純に間違えて、「日本損害保険協会で苦情登録している件数が多い自動車保険」=「おすすめできない自動車保険」と定義づけしているのですね。
「自動車保険 比較 相〇」とかのサイトですね・・・
(この記事を記載した人物を確認したら、不動産営業を本職にしてる人が書いている記事です。しかも日本損害保険協会の苦情件数をランキングしてますから、自動車保険から名誉棄損で訴えられてもよいレベルです)
苦情の件数が多いからと言って、その会社への加入を諦めようというような事が無い様に、この記事を見てくださった人にはお願いしたいと思います。
あくまでもあなたが自動車保険を選ぶ基準は、あなたの潜在ニーズを答えられる保険会社かそうでないかですので!
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