1.自動車保険の型式別料率クラスとは?徹底解説します!
1-1. この記事の目的
この記事では「自動車保険の型式別料率クラス」について詳しく解説をします。
この記事の目的は2つあります。
- 自動車保険の型式別料率クラスとは何か理解できる。
- 自動車保険の型式別料率クラスの調べ方がわかる。
それでは早速みていきましょう。
出島Z
損害保険業界に10年居座り続けてしまった出島Zです。元々は生命保険の営業を行っており、その後某外資系自動車保険会社に入社し、交通事故の査定業務、示談交渉を行なっていました。物損担当者・人身損害担当者を経験し、年間600件以上の交通事故を解決に導いてきました。正確に数えてはいないですが、トータル5,000件以上は確実に示談を行ってきました。損保を2社渡り歩きました。FP資格、損害保険募集人(自動車保険、火災保険、傷害疾病保険)、生命保険募集人、共済募集人、高校教員免許保持者。趣味は音楽鑑賞、作成、DJ、ブログ、インテリア、グラフィックデザインです。
2. 自動車保険の型式別料率クラスとは?
自動車保険の型式別料率クラスとは何かを解説していきます。
型式別料率クラス とは、簡単に言いますと「車の型式ごとの事故実績」を指します。
順を追って説明していきます。
2-1.そもそも型式別料率クラスの「型式」とは?
自動車には、車種ごとに「型式」と呼ばれる番号が付与されます。
「型式」に関してですが、アクサダイレクトの説明文を引用させてもらいます。
「型式」とは、道路運送車両法にもとづき、国土交通大臣が構造、装置および性能が同一な自動車に対して指定する分類指標です。
自動車検査証(車検証)の「型式」欄に記載されており、型式の最初にある「- (ハイフン)」より前のアルファベットは排出ガス規制適合の識別記号で、この保険ではこの識別記号部分を除いたものをいいます。引用先:アクサダイレクト
https://www.axa-direct.co.jp/auto/glossary/ka/06.html
このように、「型式」とは自動車の車種やモデルを分類するためにアルファベットと数字の組み合わせで付される識別記号のことです。
「型式」=「この特定した1台の車」と言う感じで管理されることが多いのですが、車とはそもそも様々な形状・構造・装備・性能が異なり、各自動車ごとに色んな特徴があります。
下の画像にあります自動車検査証(車検証)の赤枠「型式」欄に記載されています 。
このように車検証に必ず「型式」の記載があります。
これらの1台1台個性のある自動車を、「損保料率算出機構」がクラスを表示しています。
クラスと言うのは 「型式」を基に特性やユーザー層等に基づくリスクの違いを総合的に数値で評価するのです。
3. 自動車保険の型式別料率クラスとは、「車の型式ごとの事故実績」
「損害保険料率機構」が1台1台の車がどれだけ過去に事故を起こしているかを統計しており、それを車の車種すなわち「型式」別に事故率を調べています。
それを数値にして表しているのが、「型式別料率クラス」です。
「型式別料率クラス」は保険の種類ごとのクラスが分かれていまして、
- 対人保険
- 対物保険
- 搭乗者傷害保険
- 車両保険
の担保ごとに数値が与えられています。
保険始期が2019年12月31日以前の自家用車、小型乗用車の場合、
- 1~9クラス
保険始期が2020年1月1日以降の自家用車、小型乗用車の場合、
- 1~17クラス
になっています。
またクラスは1であればある事故リスクが低く(保険料が安く)なりますし、17(or9)に近ければ近いほど事故リスクが高く(保険料が高く)なるという仕組みになっています。
- クラスが1であればある事故リスクが低くなる(保険料が安くなる)
- クラスが17(or9)に近ければ近いほど事故リスクが高くなる(保険料が高くなる)
例えば、
対人保険:1クラス、対物保険:1クラス、搭乗者傷害保険:1クラス、車両保険:1クラス、のような自動車があれば、かなりの安い保険料(掛け金)で保険の契約ができるのですね。
逆に対人保険:9クラス、対物保険:9クラス、搭乗者傷害保険:9クラス、車両保険:9クラス、( 保険始期が2019年12月31日以前の自家用車) のような自動車があれば、かなりの高い保険料(掛け金)で保険の契約をしてしまうことになります。
4. 自動車保険の型式料率クラスの調べ方
型式料率クラスの調べ方を解説します。
非常に簡単でして、下記のサイトから入り、あなたの車をプルダウンで検索してください。
この型式料率クラスの調べ方を知っているのと知っていないのでは、今後の保険料(掛け金)の差が大きく明暗を分けてきます。
もし、この記事を読んでいるあなたが「新しい車を買い替える」「今から新車を購入する」と考えていたら、あなたが欲しいと思っている車をこの型式料率クラスを調べてみてください。
もしクラスが低いのであればそのまま購入することをおすすめしますし、クラスが全体的に高いのであれば、他の車種をおすすめします。
ちなみに、注意点として、必ずしもここで調べた料率クラスと保険会社が使用している料率クラスが一致しない場合があります。
Qここで検索した料率クラスと保険会社が使用している料率クラスは必ず同じになるの?
いいえ。検索結果は、当機構で算出した参考純率上の料率クラスであり、各保険会社で使用している料率クラスとは異なる場合がございます。
当機構の会員となっている保険会社では、料率クラスをそのまま使用することができ、また、自社の商品設計等に応じて修正して使用することもできます。実際の保険契約に適用される料率クラスについては、自動車保険をご契約する際は各保険会社へご確認ください。
引用元:損害保険料率算出機構
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/automobile/vehicle_model/
ただし、ほとんどの自動車保険会社はここの料率料率機構を目安に保険料率を作っている為、そこまでの乖離もないというのが現状ですね。
5. 自動車保険の型式別料率クラスの注意点
「型式別料率クラス」について1点だけ注意点があります。
先ほどの説明の中で、クラスが高ければ事故リスクが高く保険料(掛け金)が高くなることを説明しました。
ですが、正確に言えば、このクラスが高いからと言って必ずしもその車の事故率が高いという訳ではありませんので、注意が必要です。
え、クラスが高ければ事故率が高いからといったじゃん!
と言った声が上がってきそうなのですが、少しここを深掘りして解説します。
下の損害保険料率機構の説明文を見ていただきたいです。
Q 料率クラスが高いから危険な自動車(安全性能の低い自動車)なんですよね?
違います。例えば、安全性能が同じような車であっても、それぞれの車のユーザー層の相違など、人の要素によってもクラスが異なってくる可能性があります。したがって、クラスが高ければ危険な自動車(安全性能の低い自動車)だということではありません。
引用先:損害保険算出機構
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/automobile/vehicle_model/
どういうことかと言いますと、
仮に70歳代に人気の車があったとして、多くの70代の高齢者が同じAという車を持っていたとします。
70代の事故率は他の年齢層よりも若干高いため、Aという車に乗っている割合がほとんど70代であれば、この車の性能に関わらず、Aという車の事故率は上がってしまいます。
本来は均等な年代でAという車を保持されていれば事故率は下がるのですが、特定の年代に人気のある車であれば、そのように本来の事故率を測定できないことがあると言うことです。
もう一つの事例を上げますと、
集中豪雨や台風などの自然災害が頻繁に起こる年が立て続けに起こったと仮定します。
水没による車両保険の請求が増えてしまい、多くの車両保険が特定の車で使用された場合でも、事故とは関係なく車両のクラスが上がってしまいます。
このように、必ずしも事故とは関係ない他の要因で「型式別クラス」が上がってしまうことだってあります。
6. 自動車保険の保険料(掛け金)を決めるのは、型式料率クラスだけではありません
自動車保険の「型式料率クラス」の話をしてきましたが、自動車保険の保険料(掛け金)はこの「型式料率クラス」だけで決まる訳ではありません。
自動車保険は各保険会社の料率計算に基づいて計算をしています。
一般的に保険料(掛け金)とは、①年齢、②性別、③運転歴、④使用目的、⑤使用状況、⑥自動車の車種、⑦安全装置の有無、⑧所有台数、⑨地域の要素で決められている、と言われています。
保険料(掛け金)を調べるには、あなたが色んな保険会社に見積をとってみる必要があるんですね。
以前僕が書いた記事に、おすすめの見積もり一括サイトを記載したことがありますので、是非そちらを使って保険料(掛け金)を調べてみることをおすすめしますよ。
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